教室を半年おやすみさせていただくなかで、
わたしの想いを少しずつまとめていこうと思います。

(長文になります)
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写真教室をさせていただくようになって、10年が過ぎました。
教室をはじめるきっかけとなったのは、
2006年ふくやま美術館で開催した個展「NORiの日常的楽園」のワークショップでした。
当時はまだフィルムで撮っていて、
コンパクトのデジタルカメラを持っていなかったので
受講対象者にあわせてキヤノンのIXYを購入したことが懐かしいです。

その後、第1回おのな美展がはじまり、
会期中にもワークショップを開催させていただき、
「尾道観光カメラ講座」という名称で
尾道を拠点に毎月の写真教室をスタートさせました。
(こちらが現在のおのなびフォトゼミになります)

それから、尾道や福山以外にも声がかかる教室にはどこであろうと出かけてゆき、
広島、岡山、三原、東広島、府中、世羅、三次、松永、etc
そして東京と、
多いときには10箇所以上、
毎月100名を越える受講生のみなさんの写真を見続けてきました。

2011年の震災をきっかけに、
「いま自分ができることは何か」
「自分が本当につくりだしたいものは何か」を見つめました。
そして、今まで続けた教室をほとんど終わらせていただいたのち、
2012年4月1日、
リタフォトスクールを立ち上げさせていただきました。
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3.11をテーマに制作したポストカード
尾道にリタフォトスクールを立ち上げ、5年目。
東京でも教室をはじめて6年がたとうとしています。
おかげさまで、尾道でも東京でも、 同じように写真を通して様々な人に出会い、
新たな発見があり、わたしの思う「リタ」の輪がすこしずつ広がっていこうとしています。

リタというのは「利他」のことで、
まず他人に与えることから始まるという教えです。
実際、利他というのは本当に難しい。
自分のことすらままならないのに、
他の人のことなんて考える余裕もない、という場面が
日常生活にはたくさんあります。
かといって、他人を優先させるあまり自分を犠牲にするのも間違っていると思います。
誰かのことを思いやりながら、 自分のことも大切にする。
どちらが欠けてもバランスは悪いです。
いつも中庸を目指すのですが、これがなかなか出来ない。

日々、昨日よりは成長しているかなという細やかな繰り返しです。
うまくいく日も、いかない日もあります。
そういう、微妙な心の揺れを視覚的にするという意味で、
写真は大変役に立つものです。
カメラを思うように扱えるようになるまで、個人差はありますが、
毎月おなじようなペースで、半年くらい教室に通っていただければ
だいたいは撮れるようになります。
ゆっくり休みながらでも、1年もあれば十分です。

初心者が中級者になるのは、そんなに難しいことではありません。
わたしがわかちあっていきたいのは、
写真がすこし撮れるようになってからその先のことで、
「何を撮るか」ということがその人にとって、
大きな影響力を持つことを知っているので、
それを丁寧に伝えていきたいし、 また一緒に見つめていきたいと思っています。

誰が見てもきれいな写真を目指すことより、
自分が涙して喜べるような一枚に出会うこと。
自らが感動を作りだせるということ。
それは、自分以外の誰かを喜ばせることに繋がります。
与えて、与えてもらって、また与える。
利他の循環がわかりやすく、写真の世界には広がっている。
写真のちからで、すこしは世界を動かせると、
わたしは信じています。
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